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* GUIプログラミングの基礎 [#ke48f0ee]
まず,下記のプログラムをダウンロードしてください.
&ref(GuiTest.java,,,GuiTest.java ダウンロード);/[[ソースコードファイルを見る>http://yoslab.net/netprog/source/GuiTest.java]]
*** コンパイル&実行 [#d40cb1b0]
javacを使って,普通にコンパイルしてください.
コンパイルが終わったら実行します.
実行すると,図1に示すメインウィンドウが表示されます.
#ref(java_gui02.png,nolink,center)~
CENTER:図1. メインウィンドウ
メインウィンドウには,0から4までの番号が振られた,正方形のボタン(JButton)が5つ配置されています.
実行を終了するには,ウインドウを消すか,コマンドプロンプトの方で[Ctrl]+Cを入力します.
*** 説明 [#r4b21dee]
このプログラムは,GUI(Graphical User Interface)の基本的な機能を実装したものです.
プログラム中には,クラスが1つだけ(''GuiTest'')実装されています.
このクラスは,''JFrame''というウィンドウの基となるクラスの性質を''継承''(extends)することで,少ないコード量でGUIプログラムを作成することが可能になっています.
少し詳しく見てみましょう.
- 1〜6行目:import文.(C言語での#includeのようなもの).
- 8行目: GuiTestクラスの宣言.JFrameクラスを継承している.
public class GuiTest extends JFrame {
- 9〜10行目:「ボタン(JButton)コンポーネント」と,コンテナ変数の宣言.
- 12〜28行目:(関数)「''コンストラクタ''」と呼ばれるGuiTestクラスを初期化するときに呼ばれる関数.
- 15〜16行目:ウィンドウのタイトル名(setTitle),サイズ(setSize)を設定する.
this.setTitle("Gui Test"); //ウィンドウのタイトルを設定する
this.setSize(400,400); //ウィンドウのサイズを設定する
- 17行目:ウィンドウの「コンテナ」を取得する.
c = this.getContentPane(); //フレームのペインを取得する
- 21行目:5個の要素を持つ''JButton''オブジェクトの配列を初期化する.
buttonArray = new JButton[5]; //ボタンの配列を5個作成する[0]から[4]まで使える
- 22〜26行目:各JButton要素に対して,''インスタンス''の作成(23行目),コンテナへの登録(24行目), JButton要素の場所と大きさの設定(25行目)を行う.
for(int i=0;i<5;i++){
buttonArray[i] = new JButton(Integer.toString(i));//ボタンに数値を設定
c.add(buttonArray[i]);//ペインに貼り付ける
buttonArray[i].setBounds(i*45,10,45,45);//ボタンの大きさと位置を設定
}
- 30〜33行目:プログラムのうち最初に実行されるメソッド.~
ここでGuiTestクラスのインスタンスを作成する.
public static void main(String[] args) {
GuiTest gui = new GuiTest();
gui.setVisible(true);
}
GUIプログラミングの特徴は,
+ ''Frame''(ウィンドウなど)を作成して,''Container''を取得する.
+ ''Component''(コンポーネント,コントロール)と呼ばれる「部品」を生成して,
+ ''Container''(コンテナ)に登録する
という流れになります.
** Javaのオブジェクト指向プログラミング [#sc3273f2]
[[Javaのオブジェクト指向の概説]]を軽く読んでください.
&color(red,yellow){'' 解説:JFrame ''};
- 突然,「public class GuiTest extends JFrame {」が出てきましたね.
-- JFrameってなんだろう?って思いますよね,
-- JFrameは,Javaのウィンドウ表示用のクラスです!
-- ここでクラスってのが出てきましたね.
-- クラスというのは,オブジェクト指向プログラミングで,データとその操作手順であるメソッドをまとめたオブジェクトの雛型(ひながた)のことですね!
-- もう少し,詳しく説明します.「public class GuiTest extends JFrame」というのは,
-- JFrameというクラスを拡張して,GuiTestという新しいクラスを作るという処理です.
-- もともとあるJFrame(Javaがもともと持っている)ものをextendsで拡張しています.
-- 「Javaのウィンドウ」って,全てにありますよね!それを拡張して,「GuiTest」という新しいクラスに拡張しています.
-- 「JFrame」の中身がどうなっているかは,分かりませんが,それを拡張して新しいものが作れます.
-- プログラムの再利用の仕組みの一つです.
&color(red,yellow){'' 解説:this ''};
- 突然,「this」が出てきましたね.
-- thisってなんだろう?って思いますよね,
-- thisは,自分自身のオブジェクトを指すときに使います.
-- public GuiTest() の中で,thisを使うと,GuiTest自身を指します.
-- 実は,GuiTestの中で,関数を使う時には,thisは書かなくても動きます.
-- 自分自身を読んでいることを明確に示すために,thisを書いています.
&color(red,yellow){'' 解説:ペイン ''};
- 突然,「ペイン」が出てきましたね.
-- ペインとは,枠とか区画とかの意味です.
-- JFrameをつくると,自動的にpaneが作られます.
-- このペインにぺたぺたとオブジェクト(ボタンとかフィールド)とかを貼り付けて画面を作ります.
-- Javaのレイヤーのイメージです.複数のレイヤーが重なったイメージで構成されています.~
&ref(1layers.gif,nolink);~
** 練習 [#h7c4ef3b]
(1)表示されるボタン(JButton)のサイズを50x50に変更してください.
(2)メインウィンドウのサイズを450x450に変更してください.
(3)メインウィンドウ上に表示されるボタンの数を増やし,図2のように8x8のタイルを描画してください.~
&color(,yellow){ヒント};:
&color(,yellow){注意};
- 配列はアクセスの注意
-- buttonArray = new JButton[5]; という書き方だと,buttonArray[0]から[4]まで確保されます.
-- つまり,[5]だと5個の変数が確保されるのですが,配列の番号は「0」からなので,「4」 が最後です!
&color(,yellow){ヒント1};:
- 二次元配列を使ってみましょう.覚えていますか?
-- 8つの箱の中にさらに8つの箱がある,というような概念です.
- 二次元配列を扱う場合は,二重for文もよく用いられます.
-- for文(y軸担当)の中にfor文(x軸担当)を作ってください.
-- 増加値となる変数は何でも良いですが,i,j,k, ... の順に用いるのが通例です.
-- 増加値となる変数は何でも良いですが,i,j,k, ... の順に用いるのが通例です(x, yなどが分かりやすい場合もあるので,御自由にどうぞ).
-- ボタン番号は0-63です.これは,iとjを用いた計算式で表しましょう.
CENTER:&ref(java_gui03.PNG,nolink);~
図2. 8x8のボタンタイル
#br
&color(,yellow){ヒント2};:
- 二次元配列の宣言(上の方にあります!)は下記のように書きます!
private JButton buttonArray[][];
[][]を二つ書いてください。
- 二次元配列の生成は下記ように書きます!
buttonArray = new JButton[8][8];
- 二次元配列への代入などは下記のように書きます!
buttonArray[j][i] = new JButton....
すべて、[][]を使った形に書き換えます!
CENTER:&ref(board.key.png,,25%);~
図3. 一次元配列と二次元配列の対応
&color(,yellow){ヒント3};:
- iとjで動きを説明してみます.
- jが外側のループで,iが内側のループとします.
- iもjも,0から7まで動きます.
- iの最初は0です.
j*8+i
-とすると,jが0のときiが0から7まで変化すると,「j*8+i」の結果は,0から7まで変化します.
-次にjが1になります.
-「j*8+i」の結果は,8から15まで変化します.
&color(,yellow){ヒント4};:
下記のURLをブラウザにコピーして見て下さい!
http://yoslab.net/~yoshino/javaprog_addtion/howtoboard.key.png
&color(,yellow){注意};:
<と<=では=しか違わないけど,注意しましょう.配列の境界を越えるとエラーがでます!
for(int i=0;i<8;i++) //iは0から7まで
for(int i=0;i<=8;i++) //iは0から8まで
&color(,yellow){おまけ};:
- 一次元配列でも表現できます.
for(int i = 0 ; i<64 ; i++) {
x = i % 8; // %は「モジュロ」とよびます.余りを返します.i % 8は iを8で割ったときのあまりです.
y = i / 8; // / は割り算ですね.整数の割り算なので,iが0から7までは,i/8の結果はずっと0です.
...
この形で,xとyの動きを作ることもできます!
&size(16){[[&ref(http://yoslab.net/netprog/next.gif,nolink); 次の演習(2-2)>演習2-2 イベント処理]]};