[[TopPage]] > 付録 > Javaのオブジェクト指向の概説 * Javaのオブジェクト指向プログラミング(概説) [#sc3273f2] Java言語は「オブジェクト指向型の言語」であると,演習の最初で説明しました. 演習1では,オブジェクト指向を意識せずに進めてきましたが, GUIプログラムやネットワークプログラムでは,オブジェクト指向の知識がないと, 理解しづらい点が多いかと思います. ここで簡単にオブジェクト指向について説明したいと思います. *** クラスとオブジェクト [#c2a367b1] ''クラス''や''オブジェクト''という言葉が出てきたと思います.両者はよく似ていますが,ちょっと異なります. - ''クラス''は,対象となる物事を表現するための「''属性(データ項目)''」と,物事が処理する「''メソッド(手続き)''」の集合を記述した設計図のようなものです. - ''オブジェクト''は,クラスを実体化させたもの(つまり,メモリに配置された状態)で,実際のデータが含まれています.''インスタンス''とも呼ばれます. Javaのプログラムでは,以下のように書くと, JButton mybutton = new JButton(); - ''JButton''がクラス(「型」ともいえます) - ''mybutton''がオブジェクト(インスタンス,「変数」ともいえます) となります. 演習1で触れた,文字列型(String)も, String mytext = new String("Hello"); // String mytext = "Hello";と同じ. のように,オブジェクト指向風に書くこともできます. *** 属性(データ項目)とメソッド(手続き)の操作 [#z6e599ca] オブジェクト指向(Java)言語における,オブジェクトのデータ操作方法と, メソッドを使った目的の処理の実行方法を説明します. ''メソッド''(手続き)とは,C言語での関数のようなものです. ''メソッド''(手続き)とは,C言語での関数のようなものです. オブジェクト指向では,~ '''対象となるオブジェクト(変数)'''.''メソッド名(''[引数]'')''~ という表記をすることで,メソッドを実行することができます. C言語と同様に,引数を設定したり,戻り値を得ることができます. 文字列(String)型の説明で,''.equals(''[文字列]'')''というメソッドを紹介しました.これは,対象となるオブジェクトに格納されている文字列と,equalsの引数の文字列を比較し,同一文字列であればtrueを返すというメソッド(関数)といえます. また,サンプルコードで紹介した「ボタン」(JButton)には,大きさや場所,ボタン表面の文字列や画像など,さまざまな属性(データ)を内側に持っています. これらのデータを取得・設定する方法を説明します. 例)mybuttonというJButtonオブジェクトのボタン表面の文字列を取得するには, text = mybutton.getText(); で取得できます. また,ボタン表面の文字列を設定するには, mybutton.setText("PUSH ME!"); で設定できます. - オブジェクト内にあるデータを操作(値の取得,設定)するには,get??()や,set??()というメソッド(関数,手続き)を使います. サンプルコードの中に,次のような行があると思います. buttonArray[i].setBounds(i*45,10,45,45); これは,ボタンの大きさと位置を一度に(x座標,y座標,xの幅,yの幅)設定するメソッドです. < [[演習2-1 GUIプログラミングの基礎]] に戻る