[[TopPage]] > [[演習課題]] > 演習3-2 ネットワーク対戦ゲームクライアント

* ネットワーク対戦ゲームクライアントの作成 [#rc5dd636]

まず,下記のプログラムと画像3枚を同じフォルダにダウンロードしてください.

&ref(MyClient.java,,,MyClient.java ダウンロード);/[[ソースコードファイルを見る>http://yoslab.net/netprog/source/MyClient.java]]

画像ファイルの保存は,画像ファイル上で右クリックし&color(red){「名前をつけて画像を保存」};をクリックします.~
★保存先のフォルダが変わっている場合がありますので,注意してください.

&ref(White.jpg); ... White.jpg~

&ref(Black.jpg); ... Black.jpg~

&ref(GreenFrame.jpg); ... GreenFrame.jpg~

※サーバは,演習3-1でダウンロードした''MyServer.java''を使います.

** プログラムの実行 [#lf76b5e0]

接続を確認するために,コマンドプロンプトを3つ起動させます.

- 一つのコマンドプロンプトで,MyServer.javaを起動させます.
- あとの二つのコマンドプロンプトで,MyClient.javaを起動させます.
- MyClientに表示されたコマを動かしてください.もう一方のクライアント画面にあるコマも動きましたよね?
-- 動かない場合は,MyServer.javaのコンパイルからやり直してみてください.

#ref(multimove.png,nolink,center)~
CENTER:図1. 2つのMyClient.java

** プログラム(MyClient.java)の解説 [#a545d56e]

MyClient.javaは大きく4つの部分に分かれています.

+ MyClient~
ここは,MyClient()が起動したときに,最初に動く(実際はmain()が最初ですが,main()の中で最初に呼ばれている)部分です.
-- 名前の入力ダイアログの表示
-- メインのウィンドウの表示
-- サーバへの接続~
を行います.
+ MesgRecvThread~
MyClient.javaでいつも動いている(監視している)ところは,この部分です.
具体的には「public void run()」が,プログラムの起動中ずーーっと動作をしています.
+ main~
起動時には,ここの関数が呼ばれますが,実際には,すぐに,MyClientが呼び出され,その中で,MesgRecvThreadが呼び出されています.
+ マウスイベント部(mouseClicked,mouseEntered,mouseExited,mousePressed,mouseReleased,mouseDragged,mouseMoved)~
マウスでオブジェクトに何かしたときに,発生します.
このマウスの処理に応じたプログラムを書くことで,何かできます.~
上記のプログラムでは,mouseDraggedとmouseClickedに処理を記述しています.


** プログラムの改良 [#haf84ef4]

プログラムの改良を通じて,動きを理解しましょう.''しっかり読むことが重要です!!''

*** 改良1 - 複数のPC間で通信できるようにしましょう. [#h8ecac89]

いずれ複数のPCを使ってテストするためにも,%%%先にやっておきましょう%%%.やり方はいくつかありますが,例えば下記の方法があります.
-- 名前の入力ダイアログのあとに,%%%「サーバのIPアドレス」の入力のためのダイアログを表示し,IPアドレスを入力%%%させます.
-- IPアドレスが空の場合には,%%%''"localhost"''(自分のPCのサーバ)に接続します.それ以外は,入力したサーバに接続します%%%.
--- "localhost"は,IPアドレス127.0.0.1(自分のPC)を表す特別な名前です.
--- 自分のPCへのアクセスという操作はよくあるため,覚えやすい"localhost"という名前が付けられています.
-- この方法ではPCが最低2台必要になります.1台はサーバとクライアントが動作しており,もう一台は,クライアントだけ動作しています.~
&br;
PCのUPアドレスの調べ方は,IPアドレスを調べる方法を見てください.」
&br;
複数のPC間で通信テストをやりたい場合,[[Q&A>Q&A#bf9593c6]]を参考にしてください.

&color(,yellow){ヒント};:
- 名前ダイアログを出すプログラムが,MyClientのどこかにあります.
-- それを参考にIPアドレスダイアログを出すようにしましょう.
- %%%入力で得られた変数をどこで用いるか%%%,についても考える必要があります.
-- "localhost"にしか接続できない状況を変更して,入力内容に従うようにしましょう.
- 通信できるかどうかのチェックはIPアドレスを調べる方法や[[Q&A>Q&A#bf9593c6]]を参考に.

&br;&br;


*** 改良2 - 特定の番号のコマは動かないようにしてみましょう. [#led7117f]
例えば,配列の1番目だけは,動かないようにしてみましょう.mouseDraggedのところの,theArrayIndex(ボタン番号)をうまく使います.
&br;&br;

&color(,yellow){ヒント};:
- theArrayIndexは文字列なので,比較する時は注意してください.
- 「!」記号を覚えていますか?
-- 以下は,boolean型の変数や関数に「!」を用いた例です.
 boolean judge = false;
 if(!judge){
   // この部分のプログラムは通りますか?
 }

&br;&br;

*** 改良3 - 自動的に,黒と白を決めてみましょう. [#w37c0d86]
&size(18){※この課題では,演習3-1-1の練習問題で作成した&color(red){MyServer2.java};を使います!!};
#br
MyServer2では,演習3-1-1の練習問題(MyServer2.java)では,接続してきたクライアントに対して,
 1
と接続番号を送信していますね.~
この接続番号「1」(2回目は2,3回目は3...)の数字を使うと例えば,偶数は黒,奇数は白とすると,つないだプログラムごとに黒と白が判定できます.
#br

MyClientの受信部分は
 public void run()
です.そこで,
 out.println(myName);//名前を送る
の後に,
 String myNumberStr = br.readLine();
を追加します.
これで,サーバが送った番号を受け取れますが,このままだとまだ,単なる文字なので,
Integer.parseIntを使って数値にします.
&br;
また,この数値を奇数が偶数かを判定するには,
%(モジュロ)演算子を使います.
&br;
例えば,下記は偶数の時にif文の条件を満たします.
 if(myNumberInt % 2 == 0){
 }
自分が黒か白かの情報は,他の場所でも使いますので,どこでも使えるように,
 public class MyClient extends JFrame implements MouseListener,MouseMotionListener { 
     private JButton buttonArray[];
のようなところに,
 private int myColor;
と宣言しておいて,
-myNumberIntが偶数のときはmyColorを0(黒)にする
-myNumberIntが奇数のときはmyColorを1(白)にする

などと決めておくと良いでしょう.

&br;

これで,プログラム中のどこでも自分の色を参照できるようになります.
試しに,コマをクリックしたら,myColorの色に変えるよう修正してください.

&br;

*** 改良4 - 自分のコマをクリックしたときに,相手のコマも変わるようにしましょう. [#gfbbac92]

現在は,コマをクリックしたら,自分のコマしか色が変わりません.

まず,''(1)mouseClicked''のところで,mouseDraggedの中身を参考にしながら送信部分を作ります.~
mouseDraggedでは「MOVE」を用いていますので,「CLICK」「CHANGE」などの別な名前にしましょう.~
ここでは,「MOVE」の代わりに「PLACE」(コマを置く)という命令を出してみましょう.~
MOVEでは位置を送信情報としていますが,ここでは自分の色(myColor)を送る必要があります.

次に,''(2)MesgRecvThreadのrun()''の中に,if(cmd.equals("MOVE")){...という部分がありますね.~
この中身を参考にしましょう.CLICKの情報を受けとり,その中で,コマの色を変えるプログラムを書きます.~
ここに書くのは,%%%情報を送った自分も受け取った相手も動作する%%%内容です.
この中身を参考にしましょう.「PLACE」の命令を受け取った場合を考え,このif文の中に,コマの色を変えるプログラムを書きます.~
ここに書くのは,%%%情報を送った自分も,受け取った相手も動作する%%%内容です.要注意ですよ!


&color(,yellow){ヒント};:
- 通信相手には"文字列"(msg)の情報しか送れません.
-- したがって,msgに入れられる情報は"文字列"か"数字(の文字列)"に限られます.
-- "MOVE 2 23 27"という文字列からは,1個の文字列と3個の数字の情報が得られますね.

&br;

- (1)の送信部分では,クリックした直後の処理と送信情報の準備・送信を行います.~
- (2)の受信部分では,送信で受け取った情報を使って,&size(18){&color(red){両方のクライアントで};};処理を行います.

以上から,ネットワークを利用したプログラミングでは,書きたい操作が
- &color(red){%%%相手の画面にも反映させたい場合%%%→受信部分に書く};
- &color(red){%%%自分の画面のみに反映させたい場合%%%→送らず,その場で書く};

とする必要がある,ということですね.詳しい動きは,[[演習4-1>演習4-1 オセロの基礎1]]も参考にしてください.

&br;



*** 補足 [#pb140054]
MyServer.javaには,接続数の制限があります.つまり接続数が100を超えるとサーバが止まってしまいます.~
maxConnection = 100で制限していますので,気になる人は数を増やしておくと良いでしょう.

※本来なら,socketは使い回せるのですが,プログラムの簡略化のため,このような書き方をしています.

#br

なお,MyClientの名前は変えても構いませんが,ファイル名を変えるとプログラムの中も変える必要があります.~
ある程度動いたら,名前を変えたり,バックアップをとったりすると,あとで動かなくなったときに,おかしいところを探すのに便利です.


※配布しているソースコードに記述してある「マウスが入った」などの表示を止めたいとき…
-演習2-2 イベント処理を参考にしてみてください.
-全部消してしまう(コメントアウトも)と,&color(red){エラーが出ます};.
#br

&size(16){[[&ref(http://yoslab.net/netprog/next.gif,nolink); 演習ページ>演習課題]]};

トップ   編集 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   一覧 単語検索 最終更新     最終更新のRSS